【最新】社内コミュニケーションの改善事例とアイデア22選
社内コミュニケーションとは?
社内コミュニケーションとは、組織内における情報共有のプロセス全体を指します。
これには、組織の目標達成のために、情報が上下方向だけでなく横方向にも共有されることも含みます。
コミュニケーションはチーム内や全社において、さまざまな形式(口頭、書面、デジタル)で共有されます。
- コミュニケーションの目的が明確で直接的である
- 適切な用語が使われている
- 要点がまとまっており、専門用語に頼っていない
- 聞き手のニーズに合わせたコミュニケーションが図られている
- 双方向コミュニケーションの機会が与えられている
なぜ社内コミュニケーションは企業にとって重要なのでしょうか?
その理由は以下の通りです。
- 効果的なコミュニケーションをとると、社内の意思決定がスムーズかつ容易になる。
- チームメンバーがより効果的に協働できるようになる。
- 従業員と管理職の日常的な摩擦や対立が軽減される。
- 従業員のモチベーションが上がる。
- 顧客サービスをより迅速に提供できるようになる。
- 従業員がより生産的になる。
- 企業目標をより迅速かつ容易に達成できるようになる。
効果的な社内コミュニケーションの事例
良好なコミュニケーションは、長期的なビジネスの成功にとって重要な要素です。
それはコミュニケーションが企業文化の要であり、どんなコミュニケーションをとるかによって、従業員の仕事に対する感じ方が変わってくるからです。
またコミュニケーションは、企業が質の高い人材を引きつけ、長期的に雇用できるかどうかにも直結します。
1. オープン・ドア・ポリシーを実行する
社内コミュニケーションのアイデアのなかで最も優れたものの一つが、従業員が自分の悩みについて、管理職に気軽に相談できる環境を作ることです。
その内容は仕事に直接関係するものだけでなく、仕事に支障をきたす個人的な悩みの場合もあるかもしれません。
優秀な管理職であれば、従業員はロボットではないということ、そんな彼らに耳を傾け、ピンチに陥っているときには、理にかなった配慮をしてもらえるという安心感を与えてあげることが必要だ、ということがわかるはずです。
また、仕事へのアプローチの仕方や職場環境改善のためのアイデアを、従業員が管理職に自由に伝えられるようにもすべきでしょう。
「バッドアイデア」など一つもないということをチームメンバーに伝え、敬意を持って共有されさえすれば、どんな意見でも歓迎すると保証してあげてください。
2. デジタルフォームを活用して新人教育プロセスをスムーズにする
従業員を新しく採用した場合、通常は記入しなければならない書類がいくつかあります。これらの書類は従来紙ベースであり、記入は必要不可欠でありながら時間のかかるものでした。
こうした書類をデジタルフォーマットで利用できるようにすれば、入社前教育段階の従業員に、その一部をあらかじめ入力しておいてもらうこともできるでしょう。
機密保持が必要なものは正式な初出勤日まで企業で保管し、基本的なものは事前に入力しておいてもらうのです。
そして従業員が正式に入社したら、残りの重要な書類も記入できるようになります。
3. 社内イントラネットを楽しく使えるようにする
従業員の社内イントラネットの利用頻度を高めようと考えているのであれば、社内イントラネットを使うことを負担に感じさせてはいけません。
必ず自社のロゴとカラーを取り入れ、全従業員が効率的な使い方を理解している状態になるよう徹底してください。入社時には全員に教育を行い、リフレッシュ研修も定期的に実施しましょう。
何かに困っているチームメンバーのなかには、たとえチームミーティングで発言を求められたとしても、意見を述べない人もいるでしょう。
自分で調べたい人や、質問があるときに尋ねられる担当者がほしいと考えている人もいます。
従業員が自分に一番合った方法でサポートしてもらえるよう、複数の選択肢を用意してあげましょう。
4. 動画を社内コミュニケーション戦略の一部として定期的に活用する
企業ニュースや従業員が知っておくべき重要な情報について、常に最新のものをチームメンバーに把握しておいてほしいのであれば、動画を積極的に活用しましょう。
長文メールで伝えようとすると、相手が内容を解釈する前に、残念ながら興味を失ってしまう可能性があるからです。
なかには最後まで読まない人もいれば、最後まで読んでも内容を正確に把握できない人もいます。また、内容を完全に読み違えてしまう人もいるでしょう。
5. 企業目標と目的を定期的に共有する
組織のなかには、目標達成を期待されているのが営業担当者だけ、というところもあります。そうした組織では、営業担当者以外の従業員が企業の好調ぶりを知るのは、年末に社長から労いの言葉をかけられるときだけです。
従業員が雇用主から何を期待されているのかを知っていれば、目標達成のために一丸となって努力できます。
目標を達成するのは、特定の個人やチームの責任ではありません。従業員の誰もが、企業目標の達成に貢献できるのです。
そして目標を達成したら、企業全体でその成功の栄誉を分かち合えます。
6. 従業員は価値のある存在だという企業文化を創る
人が企業で働く唯一のモチベーションは給料である、というかつての考え方は、今や時代遅れになりました。
確かに、人々が働く理由にはそうした金銭的な動機もありますが、彼らが特定の企業で働くことを選ぶ理由はほかにもあります。
従業員が、まるで自分が目の前にぶら下げられたニンジンを追いかけているかのように感じる雰囲気を、企業内で作り上げてはいけません。
ある行動をすれば報酬が与えられ、そうでなければより良い仕事の機会を与えてもらえなかったり、会議で無視されたりするなど、せこいやり方で従業員に「罰」を与えるようなことがあってはならないのです。
7. 社内ルーティンの一環としてステイインタビューを実施する
優秀な従業員を雇用し続ける最も良い方法は、仕事のどういうところが気に入っているのか、職場環境を改善するために企業ができることは何かを、彼らに聞いてみることです。
平均的な、普通の従業員だと考えているチームメンバーのパフォーマンスを向上させたい場合は、彼らにも同じように聞いてみてください。
従業員の直属の上司や人事部長、または役員との面談をスケジュールします。面談中の発言はすべて秘密厳守で「ここだけの話」であると従業員に伝え、職場環境の改善について自由に意見を述べられるようにします。
これは解決策を見つける場です。それ以前に雇用主が問題を認識していなければ、当然解決策もなにもありません。
8. 従業員プロフィールを活用して、生産性と従業員間のつながりを向上させる
これは、組織に導入できる最も革新的な社内コミュニケーションアイデアの一つで
McKinsey Global Instituteの研究によると、平均的なインフォメーションワーカー(さまざまな情報にアクセスしながら仕事を行う従業員)は、勤務時間のおよそ20%を、情報や仕事を手伝ってくれる従業員を社内で探すことに費やしています。
この問題の解決策の一つが、社内イントラネットに従業員プロフィールを追加することです。
役職や上司、担当するプロジェクト、および特別なスキルをプロフィールに記載するよう、チームメンバーに促します。プロフィールには、趣味や個人的に興味があることを記載してもいいでしょう。
そうすることで、従業員は自分が必要とするサポートをしてくれたり、共通の興味を持っていたりするほかの従業員をすぐに見つけられるようになります。
9. メールの使用を可能な限り少なくする
メールというものが初めて導入されたとき、それは時間の節約とコミュニケーション効率の向上につながる素晴らしい技術革新として称賛されました。
確かに場合によってはそうだったかもしれません。
しかし、メールアカウントを持っている人なら誰もが承知の通り、メールでやりとりすると受信ボックスが重たくなるという、メッセージの過剰供給にもつながってしまうのです。
McKinsey Global Instituteの研究では、上記のように、従業員が平均的な週の28%を、メールの読み書きに費やしているということにも言及しています。
そのため彼らは、ほかの従業員が処理しないといけなくなるメールを増やすのではなく、別の方法でこの問題を解決できるかどうか考えるべきです。
たとえば、社内イントラネットを通じてテキストやプライベートメッセージを送る、もしくは電話をかけるといった方法があります。
10. 従業員間のカジュアルなナレッジシェアリングを奨励する
従業員が勤務時間中ずっと自席にいなければならないという考えを受け入れている企業は、もはやほとんどありません。
それどころか従業員は日中、ランチやコーヒーブレイクをとるよう奨励されています。これは体を伸ばし、気分転換し、頭を休めるためのものであり、効果的なチームコミュニケーションのための最善策の一つです。
こうしたブレイクタイムには、給湯室や廊下で、自分がそれまで話す機会がなかった人に自己紹介するよう勧めましょう。
こうしたカジュアルな会話であっても、長い目で見れば何か意味のあるものへと発展する可能性があるからです。
マサチューセッツ州のファーミントンに拠点を置く、市場調査およびコンサルティング会社のインターナショナルデータコーポレーションが最近行った調査によると、世界のトップ500社は、ナレッジシェアリングがうまくいかないだけで、最低でも年間3150万ドルの損失を出すことがわかっています。
11. ターゲット市場へのアプローチ方法について、従業員のアイデアを活用する
消費者は、新製品やイニシアチブが成功するかどうかの判断を下すうえで、非常に大きな力を持っています。
従業員は従業員であると同時に、消費者としての声も持っているのです。
ニールセンが行った宣伝に関する調査では、オンラインで回答した60カ国の3万人に、最も信頼できる口コミの種類について尋ねました。結果は次のとおりです。
- 83%の人が、友人や家族が勧めたものを参考にする
- 66%の人が、ネット上で読んだ消費者の意見を参考にする
これらの事実を踏まえ、ターゲット市場にアプローチするための最善策について、従業員からアイデアを募ってください。
一部の従業員には公式発売の前に製品を試してもらい、率直なレビューをもらう機会を作りましょう。
12. 社内報を始める
社内報は、企業とその製品やサービスに関するニュースを共有する場です。
チームメンバーが簡単にアクセスできるように、デジタルで配信しましょう。前述したように、従業員のメールの受信ボックスがいっぱいにならないよう、社内報は社内イントラネットで掲載できます。
社内報は、社内コミュニケーションの楽しいアイデアを紹介するのに最適な場です。以下の掲載を検討してみましょう。
- その月に誕生日を迎える従業員
- 自社や業界に関するトリビアの質問と答え
- 特集を組まれた従業員のプロフィール
- 従業員向けの重要なイベントとその日程
13. 従業員の功績をいつでも伝えられるように伝え方を身につける
従業員を鼓舞するための社内コミュニケーションアイデアを探している方もいるのではないでしょうか?良い話で彼らを引きつけましょう!
会社が中間目標を達成したときや、何か良い行いをして認められたときには、それを全従業員に共有してください。その達成に貢献した人たちやその努力について、必ず全員に伝えましょう。
この従業員認知戦略は、仕事に関する功績に限定する必要はありません。
従業員が仕事以外で賞を受賞した場合も、ほかの従業員に共有してください。そうした知らせがあると、従業員間の交流と連帯感が促進されます。
14. トレーニングを目的としてPowerPointまたはAppleのKeynoteプレゼンテーションを使用する
従業員は採用されたあとも学び続けなければなりません。
テクノロジーは時間とともに変化し、向上していくからです。仕事を効果的に行うために知っておくべきであり、業界に影響を与えるような決まりが存在するかもしれないのです。
従業員に長ったらしい文書を読んでもらうより、知っておくべき変更点や一般的な消防安全手順などを確認してもらうのに効果的な方法は、PowerPointまたはAppleのKeynoteプレゼンテーションを備えておくことです。
これらは創造性を発揮できる方法であるため、見る人に興味を持ってもらったり、各スライドに重要なポイントを記載したりすることができます。
15. 従業員向けのリファレンスライブラリ(資料室)を構築する
PowerPointプレゼンテーションやAppleのKeynoteプレゼンテーションといったトレーニング資料は、必要に応じて従業員がアクセスできるリファレンスライブラリに保存できます。
こうした資料は、従業員が質問がある場合に紙の文書を要求する必要なく、誰もがアクセスできるよう、社内イントラネットに保存しましょう。
一先ず文書を検索し、それでも質問がある場合は、同僚または上司に連絡すればいいのです。
この方法は勤務時間に支障をきたすことなく、情報をある決まった従業員のオフィスに紙媒体で保存するよりもはるかに効率的です。
その人が病気やそのほかの理由で不在だった場合、情報を必要としている従業員がそれにアクセスできず、行き詰まってしまうからです。
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16. チームチャットルームを設ける
チームでプロジェクトに取り組んでいる場合、その進行中に話し合うべきことはたくさんあるでしょう。
しかし、そのコミュニケーションすべてが対面で行われるわけではありません。チーム全員が自分の席を立ち、ほかのメンバーの席まで行って話さなければならなかったら、ほとんど何もできないからです。
そこで、チームがオンラインで共同作業できるように、チャットルームを設けます。
そうすれば、質問したり心配なことを伝えたり、落ち込んでいるメンバーを元気づけたりできます。
メッセージを送ってしまえさえすれば別の作業ができるため、返信を待ち続ける必要もありません。
17. チームミーティングを定期的に開催する
チームの進捗状況を確認するため、メンバーを定期的に集めます。
これは互いの頑張りを褒め合い、共に直面している問題を解決する機会です。「十分」貢献していないからといって、非難されていい人など誰もいません。
パフォーマンスに関する問題は、別の機会に対処しなければならないのです。
チームミーティングの目標は、仕事をうまく行うために必要なものを、メンバー全員がすべて揃えているかどうか確認することです。
これには、特別な機器を調達したり、地域の専門家に連絡を取ったり、必要なリソースを持っている別の企業と協力したりすることも含まれる可能性があります。
18. 管理職はチームメンバーにコーチングを行う
組織における管理職は、従業員のミスを追及するために雇われているわけではありません。
管理職は、組織内で従業員の成功をサポートする一員なのです。今から紹介する創造的な社内コミュニケーションアイデアを試してみてください。
管理職はまず、コーチングセッションのためにチームメンバーと定期的に会います。
そして従業員に、あなたの成功をサポートするために投資しているのですよ、と、はっきり伝えるべきです。
そうすればその従業員は、自分がうまくできていないと感じている分野で、あなたから追加でサポートを受けられます。
また、従業員が「たいてい」つまずくような分野で、新しいアプローチを試すよう提案することも可能です。
19. CCTV(有線テレビ)にメッセージを投稿する
電子看板は誰にとっても身近なものであり、日常生活のあらゆる場所で見かけますよね。
この技術を利用して、職場で従業員とメッセージを共有することができます。その内容はおもしろいことやくだらないこと、地域の天気予報や企業全体の発表までさまざまです。
こういうタイプの社内コミュニケーションアイデアは、コンテンツが定期的に更新される場合に最もうまくいきます。
従業員は同じコンテンツを繰り返し見るとすぐに飽きてしまい、定期的に見ることがなくなるからです。
その結果、重要なメッセージを見逃してしまう可能性があります。したがってテレビは、従業員が目にしやすく、気づく可能性の高い便利な場所に設置しましょう。
20. 重大発表のとき、特に危機発生時には全社ミーティングを開催する
企業がうまくいっていないときは、従業員に対して正直でいることが重要です。
部下たちが自分たちに影響があるような重要なことを、外部の情報源から知りたいと思っているわけがありません。
そのため、全社を対象とした会議をできるだけ早くスケジュールしましょう。あなたが知っていることを正直に伝え、憶測を呼ぶのを避けてください。
これは危機管理における、トップが行うべき社内コミュニケーションの最善策の一つです。
従業員の質問を予測し、できるだけ素早く回答するようにしてください。雇用主が主要な契約を解除されたり、四半期中に売上が落ち込んだりしたときは、自分が職を失うことになるのか、大半の従業員は知りたいと思っているからです。
なお、この全社会議は、会議室にいる従業員とリモート参加の従業員との公平性を確保するために、ハイブリッド形式で行う必要があります。
21. 緊急事態が発生した場合は、従業員にSMSメッセージを送る
これは決して使うことになってほしくないコミュニケーションの一例です。
従業員に連絡する必要がある緊急事態の例としては、建物でのガス漏れ、火災、悪天候、自然災害などが考えられます。
従業員の安全を確認し、指示を出すためには、彼らがどこにいたとしても連絡できる状態にしておきたいですよね。
音声通信に頼れない緊急時には、SMS通信のほうが迅速に連絡できる可能性があります。全従業員に「一斉送信」し、メッセージで返信するように指示しましょう。
22. リモートチームおよびハイブリッドチームとも、一貫したコミュニケーションをとる
リモートワーカーやハイブリッドワーカーが増えてきている状況で、社内コミュニケーション担当者がコミュニケーションをとる際は、作業環境を考慮することが重要です。
たとえば、チームミーティングに関しては「ハイブリッド」形式で行うべきではありません。
これは一方が会議室にいて、他方がリモートで参加するというものであるため、不公平な状況を作り出し、通常、会議中にさまざまな誤解が生じてしまうからです。
また、オフィスワーカーが関係のあるメンバーに概要を送らないまま即席ミーティングを行った場合、リモートワーカーやハイブリッドワーカーが情報を逃してしまう可能性もあります。
そして、効果的なミーティングを行い、流れに沿ったコミュニケーションを図るためには、リモートワーカー全員が必要なツールとテクノロジーを備えていることが重要です。
これには、信頼できるネット環境、ヘッドフォンもしくはマイク付きヘッドフォン、ハイスペックなビジネスパソコンなどが含まれます。
こうした社内コミュニケーションの事例とアイデアをご覧になり、何かヒントを得られたでしょうか?
現時点で、これらのうちどれくらいを実行できていますか?
ビジネスにおいて、他者とのコミュニケーションのとり方を改善する余地は常にあります。
互いに耳を傾ければ、良いことが起きるかもしれませんよ。