従業員のエンゲージメントとモチベーションを維持する15の方法
企業は従業員エンゲージメントを無視できるでしょうか?
ギャラップが行った調査によると、その答えは絶対に「ノー」です。なぜなら従業員エンゲージメントが低いだけで、世界経済は7.8兆ドルもの損失を被っているからです。
では、従業員のエンゲージメントやモチベーションを維持するにはどうすればいいのでしょうか?
以下ではその例やポイント、提案を紹介していますので、ぜひご覧ください。
1. 従業員の努力を認め、感謝する
従業員のエンゲージメントに関してその努力を認めることは、彼らのモチベーションを向上させる重要なツールだと言えます。
これは雇用者が簡単にできることであり、金銭的にも負担がありません。
例
「お疲れさまでした」と労いの言葉をかけたり、ほかの従業員の前で褒めたり、社内報でチームの功績を認めたり、従業員表彰制度を設けて「月間優秀社員」や「年間最優秀社員」を選出したりすることが挙げられます。
このような施策は、従業員がエンゲージメントし、ベストを尽くそうと思えるような企業文化を作るうえで重要です。
ポイント
従業員の努力を認める際には、透明性や客観性、公平性を保つようにしましょう。
特定の従業員をひいきしていると思われることがないように注意してください。
2. 従業員が必要とするリソースを提供する
従業員が仕事をするために必要なものはすべて揃えてあげましょう。
仕事をうまく行うために必要なツールや資材、ソフトウェアや研修には、全従業員がアクセスできるようにすべきです。
例
採用候補者に入社を許可した瞬間から、そのオンボーディングプロセスが建設的なものになるようにしましょう。
彼らがシステムにログインしたら、人事関連の手続き書類を記入するフォーム、上司の名前と連絡先、入社後の数日間に取り組む仕事が用意されている状態にしておいてください。
そして、リモートワーカーやハイブリッドワーカーに対しても、同様の状態を提供できるようにしておきましょう。
テクノロジーツールの大半において、デスクレスワーカーと呼ばれる従業員のことは考慮されていません。しかし、従業員エンゲージメントソフトウェアを使えば、既存の共同作業ソフト(MicrosoftやGoogleなど) 経由ですべての従業員をつなぐことができます。
さらに、追加のMicrosoft Teamsを使うことなく、従業員同士を直接つなぐことも可能です。
ポイント
新規採用者の初出勤日には、社内イントラネットにログインするためのパスワードが割り当てられている状態にしておきましょう。
3. 従業員の意見を聞く場を作る
従業員が自分の意見を聞いてもらえるチームにいると、確実にエンゲージメントが高まり、貢献したいという意欲が湧いてきます。
従業員と定期的にコミュニケーションをとり、帰属意識を高めましょう。たとえば、職場を良くするためのフィードバックを求めてみてください。
従業員はそういうことに対して、良いアイデアを持っている場合が多いからです。
例
従業員の考えを知るためのベストな方法は、聞いてみることです。従業員満足度調査は、その企業で何がうまくいっているのか、そして何がうまくいっていないのかを把握するのに最適な方法です。
また、従業員に直接、自分の仕事で満足していない点について尋ね、意見を自由に言ってもらうこともできます。
ポイント
従業員から率直な回答を引き出すために、調査は匿名で行うようにしましょう。
参加者全員にランダムな番号を割り当て、誰も特定できないようにし、全員が正直に回答できるようにしてください。
4. 従業員に対して定期的にフィードバックを行う
フィードバックは、従業員の課題を明らかにし、その解決策を見つけるのをサポートすることで、彼らのエンゲージメントを維持するのに役立ちます。
チームリーダーや管理職からフィードバックを受けることは、必ずしもネガティブなことではありません。
従業員はフィードバックについて、自分の仕事の改善点だけでなく、うまくいっている点も明らかにしてくれるものだと考えるべきです。
例
定期的な成績評価を待たずにフィードバックを行ってください。成績評価の代わりにコーチング面談をスケジュールし、チームメンバーの成績について定期的に話し合うのです。
こうした面談では明るく協力的な雰囲気で話すようにし、従業員が望ましい行動を取るよう促しましょう。
ポイント
仕事目標に対する成果を自分自身で評価するセルフフィードバックを行うよう、従業員に奨励しましょう。
5. 従業員に研修を受ける機会を提供する
業種を問わず、すべての企業が従業員に専門的なスキル開発の機会を提供すべきです。
従業員の多くは、昇進資格を得るための研修に関心があります。 研修を受けると、従業員は企業と共に成長していくためのキャリアプランを練ることができます。
例
OJT、コーチング、セミナー、ランチ&ラーニング(昼食を取りながらの勉強会)などが挙げられます。最新の知識や資格の取得のために、IT研修の受講を勧めてみるのもいいでしょう。
ポイント
仕事に関する研修を、大学や専門学校、もしくはオンラインで受講できるようにすれば、学びの柔軟性を最大限高められます。
企業が費用を負担をしてあげましょう。
6. 従業員間の協働とチームワークを促す
協働とチームワークは、企業が成功を収めるために欠かせません。
メンバー同士が簡単に協働できるような体制を奨励しているかどうか確認してみてください。
協働が仕事において重要な役割を果たしていれば、従業員は自分がチームの一員だと感じます。
そして、自分の考えや意見をほかのメンバーから尊重してもらえていると感じるようになります。
職場におけるチームエンゲージメントの重要性を、経営陣は過小評価すべきではありません。
例
メンバーが自分の考えをチーム内で共有すれば、より効果的に協働することができます。
そのため、彼らがアイデアを共有し、共通の目標を達成するために協働できるミーティングスペース (物理的な場所またはWeb上の場所) を作ってください。
協働するために必要な共同作業ツールを備えているかどうか確認しましょう。
リモートワーカーやハイブリッドワーカーの場合、どこで働いていても協働できるように、技術スタック(ソフトフェアツールの組み合わせ)が設定されている必要があります。
LumAppsのようなイントラネットであれば、従業員が知識を共有したり、コメントしたり、共同作業をしたりできるコラボレーションスペースが用意されています。
ポイント
従業員が問題に対する解決策を見つけたり、ほかの従業員と最善策について話し合ったり、意見を求めたりできるようにしましょう。
7. 従業員に柔軟な勤務時間制を提供する
月曜日から金曜日、9時から5時までという勤務時間が、どんな従業員にとっても最適だとは、もはや言えなくなってきました。
従業員のライフステージによっては、この勤務時間だと、望むようなワークライフバランスを保てない場合があるからです。
彼らのニーズを満たしつつも確実に仕事を終えられるよう、柔軟なスケジュールを立てるために互いに協力して前向きに取り組みましょう。
例
従業員がワークライフバランスを保つのに役立つ、リモートワーク制度の導入を検討してみてください。
必要に応じて個人休暇を取得させることで、子どもや高齢の親などの通院に付き添わなければならない従業員をサポートすることもできます。
時短制度も、従業員が仕事と個人のニーズのバランスを取れるようにする選択肢の一つです。
ポイント
従業員のスケジュールを作成する際は柔軟に対応し、理解を示しましょう。
彼らの個人的な事情を考慮したうえで作成できると伝えてあげてください。
8. 昇進のチャンスを与える
従業員をより高い役職に昇進させることは、感謝の気持ちを伝える方法の一つです。
空いたポジションに対して最初に社内に応募をかけることは、従業員とその能力、そしてより責任のあるポジションに昇進しても務まると思うぐらい信頼している、ということを示しているからです。
社内昇進率も、従業員エンゲージメントを測定するための非常に有益なKPI(重要業績評価指標)なのです。
例
役職に空きが出たら従業員に知らせましょう。
全従業員に対し、その役職、応募要件、応募方法、応募締切を書いたメッセージを送ってください。
応募するつもりが忘れていたという従業員もいますので、締め切り前に再度リマインドするメッセージを送りましょう。
ポイント
社内昇進を促進すれば、従業員エンゲージメントが向上します。
9. 気が散るものを職場から減らす
職場に気が散るものがあると、従業員エンゲージメントレベルが低下する可能性があります。
静かで生産的に仕事ができるワークスペースを、従業員全員が確保できるようにしましょう。
例
うるさかったり居心地が悪かったりするワークスペースは、従業員エンゲージメントレベルを低下させる恐れがあります。
慌ただしいオフィス内の音が聞こえないようにするためには、ヘッドホンの使用を許可してあげてください。
それぞれのワークスペースがその人の体に合っているかどうか、従業員と一緒に確認してみましょう。
このステップを実行することで、目や首、背中の負担を軽減できます。
従業員のデスクの周りがあまりにもうるさい場合は、別の静かな場所に移って仕事ができるようにしてあげてください。
社内図書館に移動したり、予約した会議室を使ったりすれば、高い集中力を要する仕事にも取り組めるでしょう。
ポイント
従業員が静かに仕事ができる場所を見つけられるよう、柔軟に対応しましょう。
10. 従業員の勤続記念日と特別な功績を祝う
従業員の勤続記念日や誕生日を社内報で共有したり、社内イントラネットに投稿したりすることで、特別な日としてお祝いましょう。
イントラネットが人事ソフトウエアと統合されていれば、LumAppsのように従業員の誕生日を自動的に表示できるかもしれません。
このステップを実行すると、ポジティブな職場文化を築くことができます。
例
該当の従業員にレストランのギフト券やガソリンカードを渡し、企業への貢献が評価されていることを伝えましょう。
ポイント
現金以外の贈り物が課税対象となるかどうかについては、管轄の税務署に相談してください。
課税対象となる場合は、その価値を把握してコンプライアンス違反にならないように気をつけましょう。
11. 従業員に創造性を持たせる
ルーチンワークは退屈なものです。
仕事を終わらせようと、厳格なルーチンに従うよう従業員に求めてしまうと、彼らはがっかりするだけです。
期限内に仕事を終わらせているのであれば、アプローチの仕方に少しぐらい創造性を持たせてあげても問題ないのではないでしょうか?
創造性を奨励することはイノベーションの促進につながり、これは従業員エンゲージメントの大きなメリットの一つだと言えます。
例
従業員の多くが、仕事中に創造性を発揮したいと思っています。
ルーチンワークの退屈さを軽減するために、ヘッドホンで音楽を聴きながら行っている人もいるかもしれません。
情報を整理するために、リストではなくチャートやグラフを好んで使う人もいるかもしれません。
ポイント
目標は、あくまでも期日内に仕事を終えることであり、その「やり方」は従業員に委ねられています。
彼らが創造的なアプローチをしたがった場合は、それを妨げないようにしてください。
12. 顧客とやりとりをする従業員をサポートする
従業員エンゲージメント戦略のうち最も重要なものの一つが、従業員がピンチに陥ったときに管理職がサポートすることです。
どんなビジネスにおいても、従業員は顧客のトラブルに対処しなければなりません。
その収拾にあたるため、管理職が介入する必要があるかもしれませんが、それは結果としてどちらかの味方をすることになってしまうため、簡単なことではありません。
そのため社内のリーダーたちにとっては、従業員のサポートに回り、彼らが持つ権限を行使させることが重要になってくるのです。
例
何らかの問題があり、顧客が企業に連絡してきたとします。担当従業員は、その問題についての企業の方針を顧客に説明します。
しかし顧客は管理職と話がしたいと言います。そうすれば管理職が考えを変え、自分の思い通りになると考えているからに違いありません。
しかしそこで、管理職が従業員の考えを支持し、従業員が最初に取った措置が適切だったと顧客に伝えます。
ポイント
企業の方針はどんな人にも平等に適用され、人によって変えられるべきではありません。
このことは長年付き合いのある顧客や、大口顧客にも当てはまります。
13. 顧客に気を配れる従業員を見つける
エンゲージメントの高い従業員は、お手本となる顧客サービスを提供できる可能性が高いでしょう。
現代ビジネスの世界では、ほぼすべてのコミュニケーションがデジタル、またはオンラインで行われています。そのため顧客サービスは、多くの企業にとって二の次になってしまっているのです。
ところが大成功を収めている企業は違います。
そうした企業では、優れた顧客サービスを提供することが、依然として優先事項となっているのです。
顧客の不安に気を配れる従業員は、それを解決するためにさらに入念な準備を重ねています
例
顧客が部品を定期発注するため、顧客サービス部門に連絡してきたとします。
顧客サービス担当者(CSR)が倉庫にある在庫を確認したところ、部品の数が顧客の注文数に足りないことに気づきます。
製造元から取り寄せると、納品できるのは6週間後になってしまいます。
顧客にいくつかしか納品できないと伝えると、顧客は大量の注文をさばかないといけないため、その部品が必要だと言います。
CSRは顧客の事情をくみ、解決できるよう力を尽くすことを伝えます。いずれも顧客にはすぐ連絡をとるようにしましょう。
CSRは状況を伝えるため、管理職に連絡します。
そして、サポートしてもらいながらほかの企業の倉庫に連絡して、その部品を探します。
それでも足りなければ、部品を顧客の倉庫に直接出荷できる可能性のある連絡先に連絡します。
部品が揃うと、顧客に価格と送料を伝えて承認してもらい、最終的な手配を行います。
ポイント
「申し訳ありませんが、お力になれません」と言うのは、考えうる選択肢をすべて行ってからにしてください。
14. 恐怖のない職場環境をつくる
ビジネスや企業の多くが、業績ベースの職場環境において運営されています。
このような雰囲気の中では、従業員はそれまでの成果がすべてだと思い込んでしまいます。
これは恐怖感や不安感、そして不確実性を生む温床となってしまうのです。
例
従業員が最初に管理職に相談することなく、物事を判断できるようにしましょう。
この方針を掲げれば、仕事においてより多くの裁量をメンバーに与えられます。
従業員が判断ミスをしても、叱責するのはやめましょう。
成績至上主義でミスが許されない雰囲気は、従業員が成長できないと感じる環境を作り出してしまいます。
ポイント
職場で安全だと感じることができなければ、従業員はやる気を失い、リスクも取れなくなります。
ところが残念ながら、リスクを取ることは成功するのに必要不可欠な要素なのです。
15. チーム活動で従業員同士の絆を深める
スポーツイベントや祝賀会、慈善団体でのボランティアといったグループでの外出は、チームビルディングと従業員エンゲージメントの向上に役立ちます。
例
チームのメンバーで、一緒にセミプロ、またはプロのスポーツを観戦し、その後、飲み物や軽食を食べに行きます。
ボランティアを希望するなら、地元のフードバンクが食品の仕分けや梱包を手伝ってくれる人を探しているはずです。
ポイント
地元のアマチュアホッケーチームやサッカーチームのスポンサーになるのもおすすめです。
もし従業員やその子どもがそのチームに所属していれば、さらに盛り上がるでしょう。
従業員エンゲージメントを高める鍵は、彼らのニーズに耳を傾けることです。
そうすれば、 彼らのニーズや期待と、あなたが支払っている報酬とのバランスをとることができるのです。
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