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更新日:
2025-03-19

ナレッジ共有とは?社内で行う目的や役立つツールなどを一挙解説

この記事を書いた人
Yuko Kobayashi
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目次

ナレッジは「知識」を意味する英単語で、ビジネスでは業務の過程で得られた知識や経験を意味します。ナレッジの中には業務効率化やリスク回避に役立つものも多く、全社でナレッジ共有を促進することで、企業活動にさまざまなメリットが期待できるでしょう。

ナレッジを共有するにはポイントを押さえて行うことが欠かせません。また、実際の業務ではナレッジ共有にはツールを用いることが多いので、どのようなツールを用いるか知っておきたいところです。

そこで今回は、ナレッジ共有の意味やメリット、進め方などを解説します。

ナレッジ共有とは?

ナレッジ(knowledge)は、「知識」・「知見」・「心得」を意味する英語です。ビジネスでは、業務で得られた知識・経験などを意味します。

そのナレッジを組織内で共有することが「ナレッジ共有」です。詳細は後述しますが、ナレッジは、暗黙知を形式知に変換することで共有しやすくなります。

ここでは、ナレッジ共有の基礎知識について、以下の2点を解説します。

  • 暗黙知
  • 形式知

1つずつ見ていきましょう。

関連記事:ナレッジマネジメントとは?成功した事例やポイントなどをわかりやすく解説

暗黙知

ナレッジ共有の基礎知識の1つ目は、暗黙知です。

暗黙知は、個人が経験を通じて得た感覚や勘・ノウハウなどの主観的知識です。お客様の表情を見て商談を成功させるなど、経験に基づく勘などが該当します。
暗黙知は、言葉や図表などで表現することが困難で、属人化しやすいため、幅広く共有することが難しいことが特徴です。

形式知

ナレッジ共有の基礎知識の2つ目は、形式知です。

形式知は、文章や数字の形でマニュアルや資料などとして可視化された客観的知識です。例えば、会社のルールや業務手順書などが形式知に該当します。社内で共有すれば組織全体の効率化に役立ちます。

ナレッジ共有を成功させるためには、暗黙知を形式知に変換し、より多くの従業員が使えるようにすることがポイントです。

ナレッジ共有のメリット

ここでは、ナレッジ共有のメリットに関して、以下5点を解説します。

  • 情報の属人化防止
  • 情報共有の促進
  • 連携促進
  • 従業員のスキルアップ
  • 引継ぎの労力軽減

1つずつ見ていきましょう。

情報の属人化防止

ナレッジ共有のメリットの1つ目は、情報の属人化防止です。

情報の属人化が発生すると、業務遂行に必要なナレッジを特定の従業員だけが保有するため、一部の従業員しかできない業務が発生します。業務遂行に必要なナレッジをもつ従業員が退職や病気などで不在になると、業務の進捗に大きな影響が出かねません。

ナレッジ共有を実現すれば、主担当メンバーが不在でも、必要な情報にアクセスでき、業務を円滑に進められます。その結果、業務の滞りを防ぎ、業務品質の確保にもつながるでしょう。

情報共有の促進

ナレッジ共有のメリットの2つ目は、情報共有の促進です。

ナレッジ共有を行う仕組みが整備されると、自ずと情報共有が促進されます。外回りの営業や国内外の出張などに加えて、リモートワークの一般化もあり、時間や場所にとらわれずに、情報にアクセスするニーズが増えてきました。

また、対面ではなくオンラインで情報をやり取りする機会も増えており、ナレッジ共有の重要性が高まってきています。

関連記事:職場ではコミュニケーションの重要性が見逃せない!促進する手法やポイントも解説

連携促進

ナレッジ共有のメリットの3つ目は、連携促進です。

業務においては、クライアントとのやり取りや部署間での連携が必要な場面が数多くあります。その際、情報のやり取りが生じるため、ナレッジ共有により連携促進が期待できます。

例えば、大口クライアントに関する情報をナレッジとしてまとめておけば、大口クライアントとの商談がスムーズになるでしょう。また、営業やセールスなど他部署で得られた知見を活かすことで、新たなアイデアを創出できる場面もあるでしょう。

従業員のスキルアップ

ナレッジ共有のメリットの4つ目は、従業員のスキルアップです。

ベテラン従業員や優秀な従業員には、独自のノウハウがあります。しかし、そのようなノウハウの中には暗黙知も多く、そのままでは他の従業員にシェアできません。

そこで、ベテラン従業員や優秀な従業員が有する暗黙知を形式知に変換し、ナレッジ共有を図ることで、より多くの従業員がそのナレッジを活用できます。結果的に、多くの従業員がスキルアップし、組織全体のレベルアップにつながるでしょう。

引継ぎの労力軽減

ナレッジ共有のメリットの5つ目は、引継ぎの労力軽減です。

新入社の従業員や異動してきた従業員には業務の引継ぎが必要ですが、なるべく引継ぎの労力を軽減して、すぐに業務を覚えられるようにしたいものです。活用するフォーマットや業務の進め方についてナレッジとして共有しておけば、困った場合に必要な情報にすぐアクセスできるため、引継ぎの労力を軽減できるでしょう。

ナレッジ共有に成功した事例

ここでは、ナレッジ共有に成功した事例について、以下の2点を解説します。

  • メーカーA
  • オフィス業務代行B

1つずつ見ていきましょう。

メーカーA

ナレッジ共有に成功した事例の1つ目は、メーカーAの事例です。

メーカーAでは、バックオフィスに従業員からの問い合わせが集中して、本来業務が滞っていました。そこで、チャットボットを導入してFAQを自動回答できる体制を整備しました。

その結果、従業員はチャットボットを通じ必要な情報に迅速にアクセスでき、バックオフィスへの問い合わせが大幅に減少したのです。

オフィス業務代行B

ナレッジ共有に成功した事例の2つ目は、オフィス業務代行Bの事例です。

オフィス業務代行Bでは、ヘルプデスクなどの運営事業を行っています。ベテラン従業員の退職でノウハウが減少することや、オペレーター間のスキル差があることが課題でした。そこで、ナレッジ共有ツールを導入し、従業員全員が共通の知識を持てるようにしました。

その結果、問い合わせ対応時間が大幅に短縮され、対応品質の向上につながったのです。

ナレッジ共有の手法

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ここでは、ナレッジ共有の手法について、以下の3点を解説します。

  • 従業員教育
  • ナレッジ共有のシステム構築
  • マニュアル作成

1つずつ見ていきましょう。

従業員教育

ナレッジ共有の手法の1つ目は、従業員教育です。

定期的なミーティングや勉強会を通して、チームメンバーが有する知識や情報を共有できます。これにより、最新の情報を共有してチーム全体の意識統一を図れるでしょう。

効果的なミーティングや勉強会を行うためには、事前に目的を明確にし、参加者全員が積極的に発言できるような雰囲気づくりが大切です。

ナレッジ共有のシステム構築

ナレッジ共有の手法の2つ目は、ナレッジ共有のシステム構築です。

社内WikiやFAQなどのナレッジ共有システムを構築することで、必要な情報をいつでもどこでも確認する体制を整備できます。これにより、情報の検索効率が向上し、業務の効率化にもつながるでしょう。

ただし、情報が古いままで放置されると、誤った情報が拡散されてしまうリスクがあるため、ナレッジ共有システムは定期的な更新が欠かせません。

マニュアル作成

ナレッジ共有の手法の3つ目は、マニュアル作成です。

操作マニュアルやプロセスマニュアルなどのマニュアルを作成することで、ナレッジを共有して個人のスキルや経験に頼らず、誰でも同じ品質の作業を行えます。従業員教育や業務標準化には、特に有効です。

ただし、マニュアルは一度作成すれば終わりではありません。業務内容が変更になった際には、それに合わせてマニュアルも更新していきましょう。

ナレッジ共有を促進するポイント

ここでは、ナレッジ共有を促進するポイントについて、以下の3点を解説します。

  • ナレッジ共有の目的共有
  • 投稿しやすくする仕組みづくり
  • 担当者の積極関与

1つずつ見ていきましょう。

ナレッジ共有の目的共有

ナレッジ共有を促進するポイントの1つ目は、ナレッジ共有の目的共有です。

ナレッジ共有の目的やメリットを理解していないと、従業員がナレッジ共有に積極的にならないこともあるでしょう。

大切なことは、現状の課題を共有することです。ツールの導入によって課題をどのように解決できるかを示すことで、従業員のモチベーションを高め、利用を促進できます。

投稿しやすくする仕組みづくり

ナレッジ共有を促進するポイントの2つ目は、投稿しやすくする仕組みづくりです。

ナレッジ共有ツールでナレッジ共有を促進するには、ツールの具体的利用シーンを示すとよいでしょう。例えば、会議の議事録をツールに記録するなど、業務にツールを組み込むことで従業員が自然とツールを利用する習慣を身につけられます。

担当者の積極関与

ナレッジ共有を促進するポイントの3つ目は、担当者の積極関与です。

ナレッジ共有の担当者が率先してツールの活用や情報発信を行えば、他の従業員のお手本になります。また、担当者がナレッジ共有を積極的に行うことで、他の従業員も投稿しやすくなり、ツール内の情報が充実していくでしょう。

ナレッジ共有に役立つツール

ここでは、ナレッジ共有に役立つツールについて、以下の2点を解説します。

  • 社内Wiki
  • チャットボット

1つずつ見ていきましょう。

関連記事:インナーブランディングとは?アウターブランディングとの違いや成功事例などとともに解説

社内Wiki

ナレッジ共有に役立つツールの1つ目は、社内Wikiです。

社内Wikiツールは、企業内の知識を蓄積・共有できるプラットフォームで、マニュアルやFAQを簡単に作成・管理できる上、誰でも気軽に情報を追加・編集できます。

キーワード検索や属性検索など、多様な検索機能も備わっているため、必要な情報を迅速に探し出すことが可能です。

チャットボット

ナレッジ共有に役立つツールの2つ目は、チャットボットです。

最近は、AIプログラムを活用してリアルタイムのやり取りで質問に答えてくれるAIチャットボットも普及しています。

従業員は、チャットボットに質問すれば必要な情報をすぐに得られます。また、チャットボットとの会話履歴を分析することで、社員がどのような情報を求めているのかを把握できるため、ナレッジの質を高められるでしょう。

まとめ

今回は、ナレッジ共有の意味やメリット、進め方、成功事例、役立つツールについて解説しました。

ナレッジ共有は、業務で得た知識や経験を自社で共有することです。共有しにくい暗黙知を形式知に変換して共有することが、成功へのポイントになります。ナレッジ共有を行うことで、部署間の連携促進や引継ぎの労力軽減などさまざまなメリットを享受できます。

ナレッジ共有の主な手法には、従業員教育やマニュアル作成などがあり、ツールとしては社内Wikiやチャットボットなどが有用です。ナレッジ共有の事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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