DX・業務効率化
更新日:
2025-03-19

システムインテグレーションはDX推進に求められている!サービスの流れやよくある課題をわかりやすく解説

この記事を書いた人
Yuko Kobayashi
 < 一覧へ戻る
目次

現在、世界中でDXが進められており、多くの企業でDX対応が求められています。DXの推進にはDXに対応した社内システムの導入が欠かせず、レガシーシステムを活用している場合にはその更新も必要です。

そこで必要になってくるサービスが、システムインテグレーションです。システムインテグレーションを利用することで、社内システムの構築・整備を効率良く行えます。

そこで今回は、システムインテグレーションの意味やサービスを行う流れに加え、アウトソーシング先の選び方を解説します。

システムインテグレーションとは

SI(システムインテグレーション)は、クライアントの抱える課題を解決するため、さまざまなIT技術を組み合わせて最適なシステムを構築するサービスです。

SIを行う企業をSIerと呼びます。システムの企画・開発・導入・運用まで、一連のサービスを提供することが特徴です。

ここでは、システムインテグレーションの役割について、以下の4点を解説します。

  • 業務効率化
  • データの一元管理
  • BCP対策
  • システムの柔軟性向上

1つずつ見ていきましょう。

業務効率化

システムインテグレーションの役割の1つ目は、業務効率化です。

異なるシステムを統合することで、業務プロセスを簡素化して生産性を向上させます。

関連記事:業務効率化が社内業務で求められている!代表的アイデアや成功事例も解説

データの一元管理

システムインテグレーションの役割の2つ目は、データの一元管理です。

データを統合して一元管理を行うことで、正確で一貫性のある情報管理が可能になります。

BCP対策

システムインテグレーションの役割の3つ目は、BCP対策です。

システム統合は災害時など緊急事態への対応力を高め、ビジネスの継続性確保に役立ちます。

システムの柔軟性向上

システムインテグレーションの役割の4つ目は、システムの柔軟性向上です。

ビジネスの変化に迅速に対応できるよう、システムを柔軟に調整します。

システムインテグレーションサービスを行う流れ

ここでは、システムインテグレーションサービスを行う流れについて、以下の6点を解説します。

  • 1.企画立案
  • 2.要件定義
  • 3.設計書作成
  • 4.開発作業
  • 5.テスト
  • 6.運用・保守

1つずつ見ていきましょう。

1.企画立案

システムインテグレーションサービスを行う流れの1つ目は、企画立案です。

システム開発の最初に行われるのが、企画立案フェーズです。クライアントの要望をヒアリングし、市場分析を行い、システム開発方針を決定します。

このフェーズでは、クライアントのニーズを深く理解し、最適なシステムを提案することが求められます。

2.要件定義

システムインテグレーションサービスを行う流れの2つ目は、要件定義です。

要件定義フェーズでは、システムに求められる機能を具体的に定義します。機能要件だけでなく、システムの性能や使いやすさなどの非機能要件も考慮することがポイントです。

3.設計書作成

システムインテグレーションサービスを行う流れの3つ目は、設計書作成です。

要件定義に基づき、システムの設計を行います。ネットワーク設計・画面設計・データベース設計など、さまざまな設計書を作成して、システムの全体像を具体的に描き出すことがポイントです。わかりやすい設計書を書けば、機能追加もしやすくなります。

4.開発作業

システムインテグレーションサービスを行う流れの4つ目は、開発作業です。

設計書に基づいて、実際にシステムを構築するフェーズです。多くの場合、複数の開発者が協力して開発を進めます。一見システムインテグレーションで目立つ業務ですが、開発期間は工程の中で最も短い場合が多いでしょう。

5.テスト

システムインテグレーションサービスを行う流れの5つ目は、テストです。

開発したシステムが要件を満たしているか、確認が必要です。単体テスト・結合テスト・システム間テスト・性能テスト・受け入れテストなど、さまざまなテストを行います。

6.運用・保守

システムインテグレーションサービスを行う流れの6つ目は、運用・保守です。

システムのリリース後も、継続的に運用・保守を行う必要があります。クライアントからの問い合わせ対応・不具合修正・機能追加など、さまざまな業務必要です。各フェーズにおいて、綿密な計画と適切なリソース配分が欠かせません。

システムインテグレーション事業でよくある課題

ここでは、システムインテグレーション事業でよくある課題について、以下の4点を解説します。

  • 多重下請け構造
  • 高コスト体質
  • 人材不足
  • DXへの対応

1つずつ見ていきましょう。

多重下請け構造

システムインテグレーション事業でよくある課題の1つ目は、多重下請け構造です。

システムインテグレーション業界では、一次下請け・二次下請け・三次下請けなどの多層構造が一般的です。この構造により、上流工程と下流工程で担当する業務が大きく異なり、下請けになるほど単価が下がる傾向があります。

高コスト体質

システムインテグレーション事業でよくある課題の2つ目は、高コスト体質です。

多重下請け構造もあって、日本のシステムインテグレーション業界は高コスト体質になっています。一方で下請けのエンジニアの待遇は必ずしも良くなく、人材の流出やモチベーション低下につながっている点も否めません。

人材不足

システムインテグレーション事業でよくある課題の3つ目は、人材不足です。

現在、IT業界全体で人材不足が問題になっています。経済産業省のDXレポートによれば「2025年にはIT人材不足が約43万人に拡大する」とされています。システムインテグレーションも例外ではありません。

特に、DX化の加速に伴ってシステムインテグレーション案件が増加しているため、人材不足が一層深刻化しています。

出典:DXレポート|経済産業省

DXへの対応

システムインテグレーション事業でよくある課題の4つ目は、DXへの対応です。

政府を含め世界的にDX化が進められており、各企業は新たなシステム導入や既存システムの刷新を求められています。このため、企業のDXに関係する業務に対応する必要があるのです。

システムインテグレーションを成功させるポイント

ここでは、システムインテグレーションを成功させるポイントについて、以下の3点を解説します。

  • システム開発目的の明確化
  • 明確な要件定義
  • アウトソーシング先に頼りすぎない

1つずつ見ていきましょう。

システム開発目的の明確化

システムインテグレーションを成功させるポイントの1つ目は、システム開発目的の明確化です。

システム開発の目的を明確にすることは、成功の重要なポイントです。目的を定めることで、必要な機能や優先順位が明確になり、開発の方向性が定まります。

明確な要件定義

システムインテグレーションを成功させるポイントの2つ目は、明確な要件定義です。

要件定義は、システム開発の最初の工程で、プロジェクトの成功を左右する重要な工程です。開発前にシステムに求める機能や性能を詳細に定義することで、後工程での変更を最小限に抑え、コスト削減にもつながります。

アウトソーシング先に頼りすぎない

システムインテグレーションを成功させるポイントの3つ目は、アウトソーシング先に頼りすぎないことです。

アウトソーシング先に頼りすぎると、想定していない仕様のシステムが納品され、実務で使えなくなるリスクが高まります。それを防ぐには、アウトソーシング先とこまめに連絡を取り、自社のシステムに関する知見を増やし、認識違いを防ぐ必要があるのです。

システムインテグレーションのアウトソーシング先を選ぶポイント

ここでは、システムインテグレーションのアウトソーシング先を選ぶポイントについて、以下の4点を解説します。

  • 業務実績
  • 要件に見合った技術の有無
  • 想定内の予算や工数に収められるか
  • 運用・保守体制

1つずつ見ていきましょう。

業務実績

システムインテグレーションのアウトソーシング先を選ぶポイントの1つ目は、業務実績です。

まず過去のプロジェクト実績を十分確認しましょう。特に、自社と似た業種や規模の企業を担当した実績があれば、スムーズな開発が期待できます。

要件に見合った技術の有無

システムインテグレーションのアウトソーシング先を選ぶポイントの2つ目は、要件に見合った技術の有無です。

自社の開発要件には、さまざまな技術的要件があるでしょう。例えば、Web開発であればJ、avaScript・PHP・Rubyなどの開発言語を取り扱えることが必要です。また、クラウド開発の場合、AWSやAzureなどのサービスがあるため、自社で採用したいサービスを取り扱えるアウトソーシング先を選択する必要があります。

想定内の予算や工数に収められるか

システムインテグレーションのアウトソーシング先を選ぶポイントの3つ目は、想定内の予算や工数に収められるかです。

プロジェクトを成功させるには、開発費用や納期が想定内に収められることも必須条件です。見積もりを十分比較し、自社の予算とスケジュールに見合ったシステムインテグレーションを実現してくれるアウトソーシング先を選びましょう。

運用・保守体制

システムインテグレーションのアウトソーシング先を選ぶポイントの4つ目は、運用・保守体制です。

システムインテグレーションでは、システム開発を行っただけで終わりではなく、安定稼働を維持するためのサポート体制が欠かせません。運用・保守体制を確認し、バグ修正や機能追加などさまざまなサポートに対応できるか確認しましょう。

まとめ

今回は、システムインテグレーションの意味やサービスを行う流れに加え、アウトソーシング先の選び方を解説しました。

SI(システムインテグレーション)は、お客様の抱える課題を解決するため、さまざまなIT技術を組み合わせて最適なシステムを構築するサービスです。データの一元管理やBCP対策などの役割も担います。

システムインテグレーションサービスは、企画立案から運用・保守までの仕事を行いますが、多重下請け構造や人材不足など課題を抱えている企業も珍しくありません。システム開発目的を明確化し、業務実績などを考慮して、最適なアウトソーシング先を選びましょう。

お気軽にお問い合わせください
企業の社内コミュニケーション、従業員エンゲージメント、ナレッジマネージメントの改善のお手伝いをします。