社内ポータル・デジタルワークプレイス
更新日:
2025-04-27

ノウハウ管理はなぜ重要?方法や役立つツールも解説

この記事を書いた人
Yuko Kobayashi
 < 一覧へ戻る
目次

企業活動をよりよくするためのノウハウは、多かれ少なかれ各企業がもっているでしょう。ただ、そのノウハウも一部の従業員しか使えない状態では、ノウハウの効果は限られてしまいます。また、せっかく育んだノウハウも、蓄積しないと社内に残りません。

そこで必要になるのが、ノウハウ管理です。ノウハウ管理を徹底することで、業務に役立つノウハウを蓄積して、誰でも必要な場面ですぐに参照できます。これにより、今まで以上に多くの場面でノウハウを活用できるでしょう。

そこで今回は、ノウハウ管理の必要性や方法に加え、それを成功させるポイントを解説します。

ノウハウ管理の必要性

ノウハウ(know-how)は、ある問題を解決するために必要な技術・コツ・専門的知識・秘訣です。企業活動では、多くの場合社内業務に関わる専門的な知識やスキルを意味します。

また、ノウハウ管理とは企業が独自に開発した技術や発明などの知的財産を適切に管理し、外部への漏えいを防止する取り組みです。内部不正やサイバー攻撃で企業のノウハウが流出すると、競合他社に知的財産が流出するリスクがあるため、適切な管理体制の構築が欠かせません。

ここでは、ノウハウ管理の必要性について、以下の4点を解説します。

  • 検索性を向上
  • 業務効率化を促進
  • ノウハウを財産として蓄積
  • 教育コストを削減

1つずつ見ていきましょう。

検索性を向上

ノウハウ管理の必要性の1つ目は、検索性を向上させることです。

従業員個人のノウハウが言語化されていなければ、再現性は低下します。そのようなノウハウを共有して全社で使える仕組みをを作るには、検索のしやすさが欠かせません。

そこで、キーワード検索精度・カテゴリ・タグ・階層構造などの管理方法を工夫し、特に日本語特有の表記(ひらがな・カタカナ・漢字)の検索精度を確認する必要があります。

業務効率化を促進

ノウハウ管理の必要性の2つ目は、業務効率化を促進させることです。

個人のノウハウが公開されていないと、同じ質問に何度も回答する必要が生じます。特に新人が定期的に入社する企業では、質問者にとっては初めての質問も、回答者にとっては繰り返し対応する内容となり、対応工数が増加しかねません。しかも、質問者の前提知識により説明の範囲を考える必要もあるでしょう。

このような場合にそこで、しっかりノウハウ管理をしていれば、コミュニケーションコストを削減し、業務を効率化できます。

ノウハウを財産として蓄積

ノウハウ管理の必要性の3つ目は、ノウハウを財産として蓄積することです。

入社後の業務経験を通じて、各従業員にノウハウが蓄積されていきます。しかし、ノウハウ管理をしなければそれは個人の中だけに留まり、社内の共有財産にはなりません。

そこで、しっかりノウハウ管理を行って日々の業務で発見される個人の気づきやノウハウを積極的に共有すれば、社内の貴重な財産に変換できます。

教育コストを削減

ノウハウ管理の必要性の4つ目は、教育コストを削減することです。

企業活動の過程で従業員教育は必須ですが、ノウハウがマニュアル化されていて誰でもアクセスできる状態であれば、研修担当者が新たに資料を作成する手間を省けます。また、過去のトラブル対応や課題解決の事例が共有されていれば、新人にとって大いに参考になり、教育・研修の品質向上にもつながるでしょう。

その結果、従業員教育の時間・コストを削減できます。

関連記事:ノウハウ共有で組織全体を底上げ!おすすめツール4選も紹介

ノウハウ管理の方法

ここでは、ノウハウ管理の方法について、以下の3点を解説します。

  • ノウハウの重要性を従業員に周知
  • 管理したいノウハウを整理
  • ノウハウ管理用ツールの導入・運用

1つずつ見ていきましょう。

ノウハウの重要性を従業員に周知

ノウハウ管理の方法の1つ目は、ノウハウの重要性を従業員に周知することです。

ノウハウを管理するには、労力をかけてでもわかりやすい形にして残さなければなりません。そのためには、ノウハウ管理のメリットや重要性をメンバーに認識してもらうことが必須です。

特に個人成果主義の企業文化では、自身の評価向上を優先してノウハウ共有を後回しにするケースもあるでしょう。
このような状況を改善するために、積極的にノウハウを共有したメンバーに対する評価制度を設けることもおすすめです。

関連記事:社内周知が変われば組織が変わる!スムーズな情報共有のコツとツールを解説

管理したいノウハウを整理

ノウハウ管理の方法の2つ目は、管理したいノウハウを整理することです。

各従業員が自由にノウハウを残すと、必要な情報を探すのが困難になるでしょう。また、どのような場面や業務でそのノウハウを活用すべきかがわからず、混乱を招きかねません。

そのような事態を避けるため、ノウハウを管理するときには、想定している活用場面や業務を明確にし、体系的にまとめましょう。ノウハウが整理された状態を保つことで、蓄積されたノウハウをマニュアルへと発展させる場合も、スムーズに作成・展開できます。

ノウハウ管理用ツールの導入・運用

ノウハウ管理の方法の3つ目は、ノウハウ管理用ツールの導入・運用です。

ノウハウ管理にExcelやスプレッドシートを使うこともできますが、ファイルを開く手間がかかります。また、時間の経過とともにファイル数が増加すると管理が煩雑になり、どこにどのノウハウが保存されているのか把握できなくなるおそれもあります。

そのため、ノウハウの一元管理と効率的な検索機能を備えたITツールの活用がおすすめです。

ノウハウ管理に役立つツール

ここでは、ノウハウ管理に役立つツールについて、以下の5点を解説します。

  • 文書管理システム
  • 社内FAQシステム
  • ファイル共有システム
  • グループウェア
  • SFA・CRM

1つずつ見ていきましょう。

文書管理システム

ノウハウ管理に役立つツールの1つ目は、文書管理システムです。

文書管理システムを使えば、企業内の様々な文書データを体系的に管理できます。データ保存だけに留まらず、必要なときに必要な人がすぐに当該データを取り出せ、業務フローにそのまま活用できる点が強みです。

社内FAQシステム

ノウハウ管理に役立つツールの2つ目は、社内FAQシステムです。

社内FAQシステムを使えば、業務上のよくある質問と回答をまとめられます。検索精度が高いシステムが多い上に、コメント機能で各ノウハウに関連するコミュニケーションを実行できる点も特徴です。

類似ツールにヘルプデスクシステムがあります。これはコールセンター業務に係るノウハウなどを蓄積・共有できるシステムです。

ファイル共有システム

ノウハウ管理に役立つツールの3つ目は、ファイル共有システムです。

ファイル共有システムで、クラウドストレージにファイルをアップロードし、ダウンロード用URLを送付すれば、複数人でファイル共有や送受信を容易に行えます。無料で利用できるサービスも多く、場所や端末を選ばず活用できる点もメリットです。

グループウェア

ノウハウ管理に役立つツールの4つ目は、グループウェアです。

グループウェアであれば、スケジュール管理・ファイル共有・ビジネスチャットなどの機能をまとめて利用できます。従業員同士の情報共有に有用で、ノウハウ管理にもおすすめです。

ノウハウ共有や運用ルールを明確化すれば、より業務で便利に使えるでしょう。

SFA・CRM

ノウハウ管理に役立つツールの5つ目は、SFA・CRMです。

SFAやCRMを用いて、顧客情報やコミュニケーション記録を共有すれば、営業・マーケティング活動の効率化が図れます。特に検討期間の長い商材では、過去のやり取りの記録を残しておけば、他の営業担当からのフォローも容易です。請求書などと連携させれば、売上管理も簡略化できるでしょう。

ノウハウ管理のポイント

ここでは、ノウハウ管理のポイントについて、以下の3点を解説します。

  • 理解しやすい形でノウハウを記載
  • ノウハウ管理のルール・マニュアルを用意
  • ノウハウ提供に積極的な従業員を評価

1つずつ見ていきましょう。

理解しやすい形でノウハウを記載

ノウハウ管理のポイントの1つ目は、理解しやすい形でノウハウを記載することです。

できるだけ専門用語や複雑な表現を使わないで、誰にでもわかりやすい形でノウハウを記載しましょう。簡潔に、しかも具体的に書くことがポイントです。

例えば、手順の箇条書きや図解・動画などを活用すれば、視覚的にわかりやすくなります。また、読み手のレベルに合わせて、補足説明や関連リンクを追加することがおすすめです。

ノウハウ管理のルール・マニュアルを用意

ノウハウ管理のポイントの2つ目は、ノウハウ管理のルール・マニュアルを用意することです。

ルール・マニュアルを用意するときは、タイトルを具体的に記載しておくとどのような内容か一目でわかります。また、手順を時系列順で書くと、より実際の作業に合わせて把握しやすくなるでしょう。

更新頻度や責任者も決めておくことがおすすめです。

ノウハウ提供に積極的な従業員を評価

ノウハウ管理のポイントの3つ目は、ノウハウ提供に積極的な従業員を評価することです。

ノウハウをアウトプットするには手間がかかるため、必要性を理解していても後回しにしたいと思う従業員もいるかもしれません。

そこで、ノウハウ提供に協力的な従業員が評価される仕組みを構築すれば、従業員のモチベーションが高まり、より多くの有益なノウハウが蓄積されるでしょう。ノウハウの量だけでなく質も評価対象にするとよりベターです。

まとめ

今回は、ノウハウ管理の必要性や方法に加え、成功させるポイントを解説しました。

ノウハウ管理は、ノウハウの検索性向上や業務効率化に加え、ノウハウを財産として守るために欠かせません。ノウハウ管理を行うときは、まずノウハウの重要性を従業員に周知し、そのうえで管理したいノウハウを整理し、ノウハウ管理用のツールを導入・運用しましょう。

ノウハウ管理には、文書管理システムやファイル共有システムなどのツールが役立ちます。ノウハウ管理のルール・マニュアルを用意し、ノウハウ提供に積極的な従業員を評価することで、ノウハウ管理を促進しましょう。

お気軽にお問い合わせください
企業の社内コミュニケーション、従業員エンゲージメント、ナレッジマネージメントの改善のお手伝いをします。