DX・業務効率化
更新日:
2025-03-25

情報管理を怠ると企業に重大なリスク!徹底するためのポイントも解説

この記事を書いた人
Yuko Kobayashi
 < 一覧へ戻る
目次

情報は企業にとって重要なリソースですが、必要な場合にすぐ使える体制を整備しておかないと、十分に使いこなせません。また、万が一情報漏えいが発生すると企業の信頼は大きく低下し、場合によっては経営問題になりかねません。

そこで重要な概念が「情報管理」です。情報管理を徹底することで、企業は情報を十分に活用でき、セキュリティリスクも抑えられます。

そこで今回は、情報管理の意味やその重要性に加え、情報管理に役立つアプリを解説します。

情報管理とは

情報管理とは、顧客情報や従業員情報などをいつでも内部で利用できる状態にしつつ、外部への漏えいは防ぐことです。

企業にとって情報は重要な資産ですが、情報管理が徹底されていなければ、十分に使いこなせないだけでなく、情報漏えいリスクもあります。ここでは、情報管理に関する基礎知識について、以下の2点を解説します。

  • 情報管理の三原則
  • 代表的な情報の種類

1つずつ見ていきましょう。

情報管理の三原則

情報管理に関する基礎知識の1つ目は、情報管理の三原則です。

「情報管理の三原則」は、「情報セキュリティの3要素」とも言われます。

▼情報セキュリティの3要素

要素 説明 主な対策
機密性 許可された人だけが情報にアクセスできる状態を意味します。情報漏えいを防ぐために重要な要素です。 情報アクセス権の設定、暗号化、情報漏えい対策の徹底
完全性 情報の正確性が保証され、改ざんされていない状態を意味します。情報の信頼性を確保するために欠かせません。 変更履歴の記録、改ざん検出システムの導入
可用性 必要な時に必要な情報にアクセスできる状態を意味します。業務の継続性を確保するため重要な概念です。 システムバックアップ、災害復旧計画の策定

代表的な情報の種類

情報管理に関する基礎知識の2つ目は、代表的な情報の種類です。

ここでは、以下の3点を解説します。

  • 顧客情報
  • 従業員情報
  • 機密情報

1つずつ見ていきましょう。

顧客情報

代表的な情報の種類の1つ目は、顧客情報です。

顧客の個人情報には、性別・年齢・購入履歴などが含まれます。
この情報が漏えいすると、企業の信用が失われるだけでなく、法的な責任を問われる可能性も否めません。
一方で、顧客のニーズを把握してよりよいサービスを提供するためにも重要な情報です。

従業員情報

代表的な情報の種類の2つ目は、従業員情報です。

従業員情報には、入社年月日や所属部署などが含まれます。
これらの情報が漏えいすると、第三者に悪用されるリスクや情報が漏えいした従業員からの損害賠償請求があり得るでしょう。

一方で、従業員情報を的確に管理すれば人事に活用でき、人材育成や組織全体の生産性向上につながります。

機密情報

代表的な情報の種類の3つ目は、機密情報です。

社内の機密情報には、財務情報や開発中の商品情報などが含まれます。
この情報が漏洩すると、企業の競争力低下に加え、最悪の場合法的責任を問われかねません。このような機密情報の適切な管理は、企業の成長に必須です。

情報管理の重要性

ここでは、情報管理の重要性に関して、以下の3点を解説します。

  • ブランドイメージ
  • セキュリティインシデントの防止
  • 競争力強化

1つずつ見ていきましょう。

ブランドイメージ

情報管理の重要性の1つ目は、ブランドイメージです。

情報管理は、企業のブランドイメージを守ることにつながります。なぜなら情報管理を怠り情報漏えいなどのセキュリティインシデントが発生すると、企業の信頼が失墜し売上減少などの影響が出かねないためです。

一度失われたブランドイメージの回復は難しいため、情報管理を徹底し、企業のブランドを守っていかなければなりません。

関連記事:インターナルマーケティングとは?メリットや具体的な施策について解説!

セキュリティインシデントの防止

情報管理の重要性の2つ目は、セキュリティインシデントの防止です。

情報管理は、ウイルス感染に伴う情報漏えいなど、セキュリティインシデントの防止にも重要です。ウイルス感染が発生すると、社内システムに異常を引き起こし、業務を滞らせるだけでなく、売上機会の損失をも引き起こしかねません。

高度なセキュリティ基準のITツールを利用することで、安全な情報管理を実現できます。

競争力強化

情報管理の重要性の3つ目は、競争力強化です。

適切な情報管理を行い業務スピードの向上やサービス品質の均一化を実現することで、競争優位性を確立できます。シンプルな情報共有ツールを活用すれば、より効果的な情報管理が可能です。

情報管理で注意すべきリスク

ここでは、情報管理で注意すべきリスクについて、以下の5点を解説します。

  • 意図的脅威
  • 偶発的脅威
  • 環境的脅威
  • 脆弱性
  • 管理体制の不備

1つずつ見ていきましょう。

意図的脅威

情報管理で注意すべきリスクの1つ目は、意図的脅威です。

意図的脅威は、ハッキングやマルウェア感染など悪意をもったセキュリティリスクです。近年ではランサムウェアによる被害が深刻化しています。技術的な対策だけでなく、アクセス権管理や退職者のアカウント管理も必要です。

偶発的脅威

情報管理で注意すべきリスクの2つ目は、偶発的脅威です。

ノートPCの紛失や誤操作に伴う情報漏えいなど、人為的なミスに伴うセキュリティリスクが、偶発的脅威です。機密情報の管理状況を可視化することや、アクセスログを管理することでリスクを軽減しましょう。

環境的脅威

情報管理で注意すべきリスクの3つ目は、環境的脅威です。

地震や台風などの災害も、環境的脅威としてリスクと考えましょう。これらの脅威が発生すると、インフラが停止してシステム運用に影響が出かねません。発生頻度は低くても重大な被害につながるため、適切な対策を講じましょう。

脆弱性

情報管理で注意すべきリスクの4つ目は、脆弱性です。

ソフトウェアの不具合や設計上のミスがあると、セキュリティホールが発生してソフトウェアの脆弱性を引き起こします。特にOSSにおいては、脆弱性情報に要注意です。

管理体制の不備

情報管理で注意すべきリスクの5つ目は、管理体制の不備です。

アクセス権限設定の不備など、情報管理体制の不備があると情報漏えいのリスクが高まります。それを防ぐには、情報セキュリティ責任者の設置など適切な体制構築が重要な要素です。

情報管理を徹底するためのポイント

ここでは、情報管理を徹底するためのポイントについて、以下の4点を解説します。

  • 情報管理責任者の選定
  • 従業員へのセキュリティ教育
  • 情報管理ルールの策定
  • 情報セキュリティに強いツールの活用

1つずつ見ていきましょう。

情報管理責任者の選定

情報管理を徹底するためのポイントの1つ目は、情報管理責任者の選定です。

情報管理責任者を事前に決めておき、情報セキュリティチームを編成しておきましょう。これにより、万が一の際に迅速な対応が可能になります。情報管理に関する教育やルールの設定も、この責任者が旗振り役を担いましょう。

従業員へのセキュリティ教育

情報管理を徹底するためのポイントの2つ目は、従業員へのセキュリティ教育です。

従業員全員にセキュリティ教育を実施し、情報セキュリティに関する知識を身につけさせましょう。これにより従業員がセキュリティへの意識を高めれば、セキュリティリスクを回避でき、万が一セキュリティインシデントが発生しても適切に対処できます。過去の情報漏洩事例などを参考に、具体的な教育を行うことがポイントです。

関連記事:意識改革は企業活動を促進!うまくいかない要因や流れも解説

情報管理ルールの策定

情報管理を徹底するためのポイントの3つ目は、情報管理ルールの策定です。

情報管理のルールを明確化することで、従業員が下す判断のばらつきを防ぎ、情報漏えいのリスクを軽減できます。例えば、「許可なくソフトをインストールすることは禁止する」など、基本的なルールを定めましょう。

情報セキュリティに強いツールの活用

情報管理を徹底するためのポイントの4つ目は、情報セキュリティに強いツールの活用です。

情報管理に必要な機能が備わっている情報セキュリティに強いツールを導入すれば、より安全に社内の情報を管理できます。

情報管理に役立つアプリ

ここでは、情報管理に役立つアプリについて、以下の5点を解説します。

  • 文書管理ツール
  • FAQシステム
  • 社内Wiki
  • タスク管理ツール
  • チャットツール

1つずつ見ていきましょう。

文書管理ツール

情報管理に役立つアプリの1つ目は、文書管理ツールです。

情報管理でドキュメントの共有を行う場合には、文書管理ツールが良いでしょう。
文書管理ツールであれば契約書など機密性の高い文書も安全に管理でき、社内のあらゆるファイルを一元化できます。また、PDFやExcelの中身まで検索できるツールを活用すれば、必要な情報に素早くアクセスできるでしょう。

関連記事:ナレッジ共有とは?社内で行う目的や役立つツールなどを一挙解説

FAQシステム

情報管理に役立つアプリの2つ目は、FAQシステムです。

社内でイレギュラーな質問が発生した場合やトラブル解決を急ぎたい場合には、FAQシステムが最適です。FAQシステムでは、よくある質問をまとめているため、必要な情報を速やかに調べられます。社員教育にも応用でき、従業員の業務進行を助けられます。

社内Wiki

情報管理に役立つアプリの3つ目は、社内Wikiです。

ポータルサイトを用意して情報管理を進めたい場合には、社内Wikiツールがよいでしょう。社内Wikiツールは社内版Wikipediaと形容され、議事録やドキュメントなどの情報を簡単に管理できます。また、誰でも閲覧・投稿・更新が可能で、過去の情報も簡単に検索できるため、自社のポータルサイトとして活用することもおすすめです。

関連記事:従業員ポータルとは?使える機能や使いこなすポイントなどを解説

タスク管理ツール

情報管理に役立つアプリの4つ目は、タスク管理ツールです。

タスクやプロジェクトの進捗管理を行いたい場合は、タスク管理ツールを活用しましょう。タスク管理ツールを活用すれば、複数のプロジェクトを同時に進めていても進捗状況を可視化でき、チーム全体で効率的に作業を進められます。

チャットツール

情報管理に役立つアプリの5つ目は、チャットツールです。

チャットツールを使えば、タイムリーにテキストやファイルのやりとりが可能で、短期的にフロー情報だけ管理したい場合に適しています。多くのチャットツールはタスクの割り当てやスレッドでの案件管理も可能で、短期プロジェクトであればチャットツール上で情報共有・管理しても良いでしょう。

まとめ

今回は、情報管理の意味やその重要性に加え、情報管理に役立つアプリを解説しました。

情報管理とは、顧客情報や従業員情報などを適切に内部で利用できる状態にしつつ、外部への漏えいは防ぐことで、従業員情報や機密情報などを取り扱います。

情報管理を徹底することで、ブランドイメージ維持などの効果がありますが、管理体制の不備などのリスクには注意しなければなりません。従業員へのセキュリティ教育で情報管理を徹底し、必要に応じ文書管理ツールなども活用しましょう。

お気軽にお問い合わせください
企業の社内コミュニケーション、従業員エンゲージメント、ナレッジマネージメントの改善のお手伝いをします。