DXPで良質な顧客体験を提供!主要機能や種類も解説

企業のマーケティング活動においては、顧客体験の向上がポイントです。しかし、マーケティング活動は1つ1つの施策だけを強化しても十分な効果が得られないことが多いため、常にマーケティングの全体像を把握しなければなりません。
そこで役立つのがDXPです。DXPはマーケティングのさまざまなシーンで活用でき、データからそれぞれの顧客に応じて最適な顧客体験を提供できるでしょう。
そこで今回は、DXPの意味や活用するメリットに加え、使いこなすポイントを解説します。
DXPとは
DXPは、コンテンツ管理・マーケティングオートメーション・顧客関係管理などの機能を備えた統合プラットフォームです。単なるシステムの寄せ集めではなく、各機能を連携して包括的に顧客体験を管理します。
ここでは、DXPの基礎知識について、以下の3点を解説します。
- DXPの主要機能
- BIツールとの違い
- DAMとの違い
1つずつ見ていきましょう。
DXPの主要機能
DXPの基礎知識の1つ目は、DXPの主要機能です。以下の7点を解説します。
- データ収集機能
- データ統合機能
- データ分析機能
- コンテンツ管理機能
- パーソナライズ機能
- MA機能
- セキュリティ機能
1つずつ見ていきましょう。
データ収集機能
DXPの主要機能の1つ目は、データ収集機能です。
Webサイト・アプリ・メール・SNSなどさまざまなチャネルから、顧客の行動履歴・属性情報・デバイス情報など多種多様なデータを収集できます。
データ統合機能
DXPの主要機能の2つ目は、データ統合機能です。
収集したデータを一元管理し、顧客の行動履歴や属性情報を横断的に分析します。これにより、より深い顧客理解が可能になるでしょう。
データ分析機能
DXPの主要機能の3つ目は、データ分析機能です。
データ分析機能により、顧客属性・興味関心・購買行動などを詳しく把握できます。その結果を踏まえ、より効果的なマーケティング施策を立案できるでしょう。
コンテンツ管理機能
DXPの主要機能の4つ目は、コンテンツ管理機能です。
さまざまなチャネルで配信するコンテンツを一括管理することで、顧客の属性や興味関心に合わせて最適なコンテンツを提供できます。
パーソナライズ機能
DXPの主要機能の5つ目は、パーソナライズ機能です。
パーソナライズ機能では、各顧客の属性や興味関心に基づき、コンテンツやサービスをカスタマイズします。これにより、パーソナライズされた体験を実現し、顧客体験の向上が図れるでしょう。
MA機能
DXPの主要機能の6つ目は、MA機能です。
MA機能でマーケティング施策を自動化することで、顧客の行動に応じて最適なタイミングで適切なメッセージを配信できます。
セキュリティ機能
DXPの主要機能の7つ目は、セキュリティ機能です。
DXPのセキュリティ機能を活用することで、顧客の機密情報・個人情報の改ざんや不正アクセスなどから守れます。
BIツールとの違い
DXPの基礎知識の2つ目は、BIツールとの違いです。
BIツールは、収集したデータの可視化を通じ、ビジネスの現状把握や課題整理に役立てることに特化しています。
一方DXPは、データの収集や可視化にとどまらず、コンテンツ管理など実際の業務にも役立てられるツールです。
つまり、DXPはBIツールよりも幅広く活用でき、ビジネス全体のデータ活用を後押しするツールと言えます。
DAMとの違い
DXPの基礎知識の3つ目は、DAMとの違いです。
DAMは、テキスト・動画・写真などあらゆる形態のデジタルコンテンツを一元管理するために使われます。
DXPはコンテンツ管理だけでなく、MA機能やパーソナライズ機能なども活用できるため、DXPで使える機能の一部にDAMの機能があるといえます。
関連記事:DAM(デジタルアセットマネジメント)でデジタルコンテンツの管理を強化!必要とされる背景も解説
DXPの種類
ここでは、DXPの種類について、以下の2点を解説します。
- オープンDXP
- クローズドDXP
1つずつ見ていきましょう。
オープンDXP
DXPの種類の1つ目は、オープンDXPです。
オープンDXPは、さまざまなベンダーが提供する製品を組み合わせて作られます。
自由度の高さが特徴のプラットフォームで、ユーザーは必要な機能を自由に選択しカスタマイズ可能です。既存のシステムとの連携も比較的容易に行えるため、導入コストを削減できる点も強みです。
ただし、パッケージ化されていないシステムには対応していないため、事前に利用したいシステムがサポートされているか確認しなければなりません。
クローズドDXP
DXPの種類の2つ目は、クローズドDXPです。
クローズドDXPは特定のユーザーに特化しており、ベンダーが開発した製品をパッケージ化しています。
ベンダーがユーザーにとって最適なDXPを開発・保守するため、セキュリティ面を強化しやすいことがメリットです。反面、他システムと連携したい場合には追加開発が必要になるケースがあり、柔軟性の点では不利と言えます。
DXPが由来しているツールの種類
ここでは、DXPが由来しているツールの種類について、以下の3点を解説します。
- CMS
- ポータルサイト
- ECサイト
1つずつ見ていきましょう。
CMS
DXPが由来しているツールの種類の1つ目は、CMSです。
CMSとは、ウェブサイトのコンテンツを簡単に作成・管理できるシステムのことで、ブログや企業サイトなどさまざまなウェブサイトで採用されています。このCMSから発展したDXPは、マーケティングやクリエイティブに強く、顧客獲得にうってつけです。顧客のセグメント分けやWeb分析などの機能を活用すれば、顧客獲得に大きな効果を発揮するでしょう。
ポータルサイト
DXPが由来しているツールの種類の2つ目は、ポータルサイトです。
ポータルサイトとは、インターネット上のさまざまな情報・サービスにつながる玄関口となるWebサイトです。このポータルサイトから発展したDXPは、社内ポータルやカスタマーポータルで培ったノウハウを活かし、個人を特定できるユーザーデータの取り扱いに長けています。従業員や顧客との長期的な関係構築に適しており、ロイヤリティ向上にうってつけです。
また、複数のシステムを統合することにも優れており、複雑なサービスを提供する企業に適しています。柔軟性もあり、ビジネスの変革を実現させたい場合にもおすすめです。
関連記事:従業員ポータルとは?使える機能や使いこなすポイントなどを解説
ECサイト
DXPが由来しているツールの種類の3つ目は、ECサイトです。
ECサイトはインターネット上で商品やサービスを売買できるサービスで、それから発展したDXPは、小売業向けのECサイト構築に特化しています。在庫管理・決済処理・注文履歴管理など、EC特有の機能を活かして顧客体験の向上に役立つことが特徴です。
昨今では、コンテンツ管理機能が強化され、より幅広い顧客体験を提供できるものが増えています。
DXPを活用するメリット
ここでは、DXPを活用するメリットについて、以下の3点を解説します。
- データ活用の促進
- 顧客に合わせたマーケティング施策の実現
- セキュリティ強化
1つずつ見ていきましょう。
データ活用の促進
DXPを活用するメリットの1つ目は、データ活用の促進です。
DXPを使えば、ウェブサイトやアプリなど、あらゆるチャネルから集まるデータを一元的に管理できます。その結果、企業は顧客1人1人の行動や好みなどに関する情報を詳細に分析できるでしょう。
顧客に合わせたマーケティング施策の実現
DXPを活用するメリットの2つ目は、顧客に合わせたマーケティング施策の実現です。
特に、ECサイトから発展したDXPであれば、商品の価格設定・決済処理・顧客情報の管理などに対応できる製品も少なくありません。これらの機能を最大限活用することで、顧客1人1人のニーズに合わせて、パーソナライズされた商品やキャンペーンを提案できます。その結果、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
セキュリティ強化
DXPを活用するメリットの3つ目は、セキュリティ強化です。
近年、顧客接点が多様化している上にサイバー攻撃も巧妙化しているため、企業では顧客データ漏えいなどのリスクがますます大きくなっています。そこで、高度なセキュリティ機能を有するDXPを導入することで、セキュリティを強化できるでしょう。
DXPを使いこなすポイント
ここでは、DXPを使いこなすポイントについて、以下の3点を解説します。
- 適切な目標設定
- 組織改革の実行
- コスト面の考慮
1つずつ見ていきましょう。
適切な目標設定
DXPを使いこなすポイントの1つ目は、適切な目標設定です。
DXPは、導入するだけでは意味がありません。大切なことは、自社の現状からDXPで実現することを明確にし、その目標を具体的に設定することです。
自社の現状と解決したい課題から、DXPに求める機能を洗い出せます。目標設定を適切に行うことで、効果測定や施策の改善策立案も行いやすくなります。
組織改革の実行
DXPを使いこなすポイントの2つ目は、組織改革の実行です。
DXPを導入する過程では、システム導入だけにとどまらず組織全体の変革も伴います。その変革を通じ、従業員の働き方や組織体制の見直しなど多くの課題を克服しなければなりません。
そのため、DXPの知識だけでなく組織課題に関する知見を有する人材が必要です。自社だけでそのような人材を確保できない場合は、外部パートナーの活用も視野に入れましょう。
コスト面の考慮
DXPを使いこなすポイントの3つ目は、コスト面の考慮です。
DXPの導入でかかるコストは、以下の3つに大別されます。
- 導入コスト
- ソリューションコスト
- メンテナンスコスト
組織変更やビジネスプロセスの設計など、目に見えない部分のコストも見逃せません。DXPは複数の機能を統合しているため、トータルで見ればそれぞれの機能を単体で導入するよりもコスト削減が期待できます。
ただし、DXPの効果は多岐にわたるため、費用対効果の測定が難しい面もあるでしょう。
まとめ
今回は、DXPの意味や活用するメリットに加え、使いこなすポイントを解説しました。
DXPは、コンテンツ管理・マーケティングオートメーション・顧客関係管理などの機能を備えた統合プラットフォームで、オープンDXPとクローズドDXPに大別できます。
由来するツールは、大きく分けるとCMS・ポータルサイト・ECサイトの3つです。
DXPを活用することで、データ活用の促進やセキュリティ強化などの効果が得られます。適切な目標設定や組織改革の実行などを通じ、DXP活用の効果をより高めましょう。