DAM(デジタルアセットマネジメント)でデジタルコンテンツの管理を強化!必要とされる背景も解説

昨今、企業活動でさまざまなデジタルコンテンツを作成することが当たり前になってきました。しかし、デジタルコンテンツが多すぎて、管理に手間を感じている方もいるのではないでしょうか。
その場合には、DAM(デジタルアセットマネジメント)の活用がおすすめです。DAMを活用すれば、デジタルコンテンツを一元管理することでコンテンツ活用の効率化やリスク回避に役立ちます。
そこで今回は、DAMの意味や必要とされる背景に加え、使いこなすポイントを解説します。
DAMとは
DAM(デジタルアセットマネジメント)は、画像や動画などのデジタルデータを一元管理するシステムです。
DAMを利用すればファイルの検索や共有が簡単になり、業務効率化につながります。DAMには、ファイル整理・加工・検索機能などが備わっており、企業のクリエイティブワークフローを円滑にするために有効です。
ここでは、DAMの代表的機能について、以下の4点を解説します。
- ブランドマネジメント
- マーケティングリソースマネジメント
- 動画管理
- 商品情報管理
1つずつ見ていきましょう。
ブランドマネジメント
DAMの代表的機能の1つ目は、ブランドマネジメントです。
ブランドマネジメントは、企業のブランドイメージを統一し効果的に伝えるために行われます。DAMシステムに保存されたロゴ・ガイドライン・画像などのブランドリソースを管理することにより、社内外で一貫したブランド表現を実現できるでしょう。
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マーケティングリソースマネジメント
DAMの代表的機能の2つ目は、マーケティングリソースマネジメントです。
マーケティングリソースマネジメント(MRM)を使えば、マーケティング活動全体を管理できます。マーケティングチーム業務の効率化とリソースの最適化によって、より効果的なマーケティング活動を展開できるでしょう。
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動画管理
DAMの代表的機能の3つ目は、動画管理です。
動画管理ソフトウェアを使えば、大容量の動画ファイルを効率的に管理できます。動画の作成から公開までのプロセスをサポートすることで、スムーズな動画コンテンツの運用が可能になります。
商品情報管理
DAMの代表的機能の4つ目は、商品情報管理です。
商品情報管理(PIM)は、商品に関する諸情報を一元管理するソフトウェアです。商品情報を正確かつ効率的に管理することで、Eコマースなどでの商品販売を支援します。
DAMが必要とされる背景
ここでは、DAMが必要とされる背景について、以下の6点を解説します。
- 管理すべきデジタルコンテンツの増加
- チャネル・メディアの多様化
- データのサイロ化
- パーソナライズドコミュニケーション用の基盤整備
- コンプライアンス遵守
- ブランディング強化
1つずつ見ていきましょう。
管理すべきデジタルコンテンツの増加
DAMが必要とされる背景の1つ目は、管理すべきデジタルコンテンツの増加です。
現代ではSNSなどの普及で情報発信を手軽に行える分、顧客1人1人にパーソナライズされた情報提供が求められています。一方で、多様なコンテンツを管理することは容易ではありません。
DAMがあれば膨大なデジタルデータを一元管理し、メタ情報で分類できます。DAMにより、必要なコンテンツを迅速に探し出して活用できるため、コンテンツ管理が容易になるでしょう。
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チャネル・メディアの多様化
DAMが必要とされる背景の2つ目は、チャネル・メディアの多様化です。
インターネット・スマートフォンなどの普及により情報発信のチャネルやメディアが多様化しています。これに伴って顧客のパーソナライゼーションがますます必要となっているため、企業はさらに多くのデジタルコンテンツを扱うようになっています。
DAMを使えば、膨大なデータの中から必要なものを探し出し、さまざまなチャネルやメディアに合わせて柔軟に活用可能です。
データのサイロ化
DAMが必要とされる背景の3つ目は、データのサイロ化です。
部門ごとにデータが分断され、共有や連携が難しい「サイロ化」が発生すると、企業内でデータ活用が進みません。
そこで、DAMでデジタルコンテンツを一元管理し、組織全体でデータを共有すれば、サイロ化の解消とデータの利活用を促進できます。
パーソナライズドコミュニケーション用の基盤整備
DAMが必要とされる背景の4つ目は、パーソナライズドコミュニケーション用の基盤整備です。
昨今は趣向の多様化や情報アクセス経路の増加に伴い、顧客一人ひとりのニーズに合わせたパーソナライズドコミュニケーションが重要になっています。それを実現するためには、MAとDAMの連携が効果的です。
両者の連携により、DAMで管理された豊富なコンテンツをMAで自動的に配信し、顧客一人ひとりに最適な情報を提供できます。これにより、マーケティングの効率化と効果の最大化が期待できるでしょう。
コンプライアンス遵守
DAMが必要とされる背景の5つ目は、コンプライアンス遵守です。
デジタルデータを取り扱う場合、著作権や使用期限が関わってくるケースがあります。DAMを使えば、デジタルデータごとに情報を管理して不適切な利用を防ぐことが可能です。
これにより、法的なリスクを回避し、企業のコンプライアンス体制を強化できるでしょう。
ブランディング強化
DAMが必要とされる背景の6つ目は、ブランディング強化です。
現代ではサービスのコモディティ化が進み、選ばれるには差別化がますます重要になっています。そのための有効な戦略が企業ブランディングです。
DAMを使えば、高品質な画像や動画などのコンテンツを管理し、視覚的に訴求力のある情報発信ができます。また、営業活動においても、顧客に合わせた提案を効果的に行うため、DAMでコンテンツの有効活用を推進すべきです。
DAMのメリット
ここでは、DAMのメリットについて、以下の4点を解説します。
- 業務効率化
- 省人化の実現
- 販売プロセスの改善促進
- セキュリティ強化
1つずつ見ていきましょう。
業務効率化
DAMのメリットの1つ目は、業務効率化です。
DAMを使えば、コンテンツにメタ情報を紐付けることで、細かい検索条件で必要な情報を迅速に見つけ出せます。これにより、情報収集に必要な時間が短縮され、業務効率が向上するでしょう。
CMSなど外部システムとの連携機能も充実しており、より柔軟な運用が可能です。
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省人化の実現
DAMのメリットの2つ目は、省人化の実現です。
DAMを導入することで、デジタルコンテンツの一元管理が可能になるため、今までより効率的にコンテンツ管理ができます。その分、今まで情報管理に割いていた人員を他の業務に充てることが可能になるのです。
その結果、人材の有効活用とコスト削減を実現し、企業全体の競争力強化に貢献するでしょう。
販売プロセスの改善促進
DAMのメリットの3つ目は、販売プロセスの改善促進です。
現代社会は市場の変化が激しく、製品開発や販売のサイクルを短縮する重要性が高まっています。DAMを使えば情報検索やデータ共有の効率化が可能で、販促プランの策定や施策の洗い出しを迅速にできます。
これにより、PDCAサイクルを高速化し、競合他社との差別化を図りやすくなるでしょう。
セキュリティ強化
DAMのメリットの4つ目は、セキュリティ強化です。
DAMを使えば、ユーザーやコンテンツごとにアクセス権限を設定できます。そのため、機密性が高い情報においても情報漏洩のリスクを軽減し、セキュリティリスクを抑えたデータ共有が可能です。
昨今では情報セキュリティが問題になることも多いので、セキュリティ対策としてもDAMは有効と言えるでしょう。
DAMシステムを使いこなすポイント
ここでは、DAMシステムを使いこなすポイントについて、以下の2点を解説します。
- 制作フローに沿った活用
- 関係者を巻き込んだ利用
1つずつ見ていきましょう。
制作フローに沿った活用
DAMシステムを使いこなすポイントの1つ目は、制作フローに沿った活用です。
DAMシステムを使えば、コンテンツ制作の全工程をオンライン化し、効率化を図れます。ただし、企業のコンテンツ制作フローは多種多様なため、既存フローに合わせたシステム設計を採用するか、あるいはシステムの機能に合わせて制作フローを変えるかは要検討です。
最初からDAMを使いこなす自信がなければ、一部部署や工程だけでDAMシステムの活用を図るスモールスタートもよい選択肢になるでしょう。
関係者を巻き込んだ利用
DAMシステムを使いこなすポイントの2つ目は、関係者を巻き込んだ利用です。
DAMシステムは、限られた従業員のみが使用している場合、十分な効果は期待できません。。大切なことは、社内外問わず関係者全員がDAMを利用できるよう、環境を整備することです。これにより、データ共有・管理の一元化が促進されるでしょう。
より多くの関係者を巻き込むには、ITリテラシーに関係なく誰にとっても使いやすいシステムを活用することがポイントです。シンプルで操作性が高いツールを基本にするとよいでしょう。
まとめ
今回は、DAMの意味や必要とされる背景に加え、使いこなすポイントを解説しました。
DAMは企業内のデジタルコンテンツの一元管理を行うシステムで、ブランドマネジメントや商品情報管理などの機能を有します。デジタルコンテンツの増加などを背景に普及しており、業務効率化やセキュリティ強化などに有用です。
DAMを活用するときは、制作フローに沿った形で有効活用しましょう。また、関係者全体を巻き込む形で活用すれば、より大きな効果を期待できます。