DX・業務効率化
更新日:
2025-03-20

情報一元化で企業活動を促進!メリット・プロセス・ポイントについてまとめて解説

この記事を書いた人
Yuko Kobayashi
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目次

企業にとって情報は重要なリソースですが、情報が社内で分散して思うように使いこなせないケースは珍しくありません。この問題を解決するために役立つ方法が、情報一元化です。情報一元化により、検索性や生産性が向上して情報を一層使いこなせるようになります。

ただし、情報一元化にはいくつか注意点もあります。また、情報一元化には正しいプロセスやポイントがあるため、それらを十分に考慮しなければ、思うような効果は得られないでしょう。

そこで今回は、情報一元化の意味やメリットに加え、役立つツールやポイントなどを解説します。

情報一元化のメリット

情報の一元化は、複数の場所に分散している情報を1箇所にまとめ、効率的に管理・活用することです。

名刺・企画書・契約書など、仕事上の情報は異なる場所に保管されがちですが、これらを一元化すれば業務効率が大きく向上します。この取り組みは、個人レベルから組織全体までさまざまな規模で実施可能です。

ここでは、情報一元化のメリットについて、以下の2点を解説します。

  • 検索性向上
  • 生産性向上

1つずつ見ていきましょう。

検索性向上

情報一元化のメリットの1つ目は、検索性向上です。

情報の一元化により、情報検索にかかる時間・労力を大幅に削減できます。従来は、PC・共有サーバー内のファイル・紙の書類など、さまざまな場所に分散していた情報を探すため多くの時間を費やす必要がありました。

例えば、稟議書のテンプレートや経費精算用紙の場所を探す時間など、情報を探すための時間が思いのほか必要だったでしょう。

現在では、情報を一元化してデータベースにまとめることで、検索機能を活用して素早く必要な情報にアクセスできます。これにより、情報探しの無駄な時間を省き、業務効率を大幅に向上させられます。

生産性向上

情報一元化のメリットの2つ目は、生産性向上です。

情報の一元化は、企業の生産性向上やコスト削減にも有用です。情報の取り扱いがスムーズになるため、従業員の作業時間が短縮され、結果的に人件費や光熱費の削減にもつながります。

また、複数拠点で個別に処理されていた情報を1箇所に集約することで、情報統合にかかる時間や労力も大幅に削減できます。

その結果、企業や組織の生産性の劇的な改善も期待できるでしょう。

関連記事:生産性向上は企業活動で重要!業務効率化との違いや手法も解説

情報一元化の注意点

ここでは、情報一元化の注意点について、以下の2点を解説します。

  • 運用に慣れが必要
  • ツールの運用コスト

1つずつ見ていきましょう。

運用に慣れが必要

情報一元化の注意点の1つ目は、運用に慣れが必要なことです。

情報一元化のために新しいツールが導入されるケースが多いと思いますが、それが原因で業務フローが大きく変化することも珍しくありません。
その結果、従業員が業務フローの運用に慣れるため時間を要する可能性があります。特にツール導入直後は従業員の負担が一時的に増えるため、場合によっては現場から反発を受けるかもしれません。

ツールの運用コスト

情報一元化の注意点の2つ目は、ツールの運用コストです。

情報一元化のために有料ツールを導入する場合、ツールの導入・運用コストにも注意しなければなりません。
もちろん適切なツールを導入して効果的に活用すれば、コスト以上の効果を見込めますが、コストがかかる以上、経営層からの承認を得るのに時間がかかるケースもあるでしょう。

無料ツールも多いですが、多くの場合機能面で優れたツールは有料です。そのため、ある程度の規模で情報一元化を実現したいのであれば、有料ツールを基本とした方が良いです。

関連記事:【2025年版】!おすすめナレッジ共有ツール12選を一挙紹介

情報一元化のプロセス

ここでは、情報一元化のプロセスについて、以下の3点を解説します。

  • 情報とその所在の整理
  • 一元管理する情報の選定
  • ツールの選定

1つずつ見ていきましょう。

情報とその所在の整理

情報一元化のプロセスの1つ目は、情報とその所在の整理です。

まず初めに、社内のどこにどのような情報があるかを把握しましょう。具体的には、社内のファイルストレージ・個人PCの中身・文書化されていない暗黙知まで、情報の所在を明確にすることです。

情報の可視化によって、一元化に向けた土台構築が可能になります。

一元管理する情報の選定

情報一元化のプロセスの2つ目は、一元管理する情報の選定です。

情報の所在がわかったら、一元管理の対象となる情報を選別しましょう。顧客データや業務マニュアルなど、情報の種類や用途に応じて管理方法を検討する必要があります。

その場合、情報の重複や古いデータの有無について精査し、整理統合を進めることが重要です。

ツールの選定

情報一元化のプロセスの3つ目は、ツールの選定です。

管理対象の情報特性に合わせて、最適なツールを選定することも欠かせません。
小規模な情報であればExcelでも可能ですが、ファイル更新・検索の面では不利なため、目的に応じ専門ツールの導入を検討しましょう。
代表的なツールの種類は後述します。

情報一元化の方法

ここでは、情報一元化の方法について、以下の5点を解説します。

  • 文書の電子化
  • 社内Wikiの作成
  • TODOリストの共有
  • グループウェアの活用
  • ERPの活用

1つずつ見ていきましょう。

文書の電子化

情報一元化の方法の1つ目は、文書の電子化です。

社内情報を電子化すれば、さまざまなデバイスからインターネット経由でアクセスできます。物理的な保管スペースも不要となるため、場所を選ばず柔軟な情報管理が実現可能です。

社内wikiの作成

情報一元化の方法の2つ目は、社内Wikiの作成です。

社内Wikiの導入により、従業員全員が容易に業務ノウハウを共有・蓄積できます。
業務上で疑問点が生じても、他の従業員が記載した情報の参照や直接の質問で素早く解決できるでしょう。

TODOリストの共有

情報一元化の方法の3つ目は、TODOリストの共有です。

TODOリストの一元管理により、各従業員の業務内容や進捗状況を可視化できます。また、クラウドサービスを活用すればタスクの優先順位付けや進捗管理が容易になり、業務効率の向上につながるでしょう。

グループウェアの活用

情報一元化の方法の4つ目は、グループウェアの活用です。

グループウェアの導入によって、業務のオンライン化を推進できます。セキュリティが確保された使いやすいクラウド型ツールを選定すれば、組織全体での情報共有が円滑に進むでしょう。

ERPの活用

情報一元化の方法の5つ目は、ERPの活用です。

ERPシステムを活用すれば、企業の経営資源に関わる各種情報を一元管理できます。これにより、業務の効率化や生産性の向上が実現し、経営資源の適切な活用が可能となるでしょう。

情報一元化に適した内容・不適な内容

ここでは、情報一元化に適した内容・不適な内容について、以下の2点を解説します。

  • 適した内容
  • 不適な内容

1つずつ見ていきましょう。

適した内容

1つ目は、情報一元化に適した内容です。

一元化に適している情報としては、日常的な業務で頻繁に使用されるデータや資料が挙げられます。
具体的には、顧客情報・売上データ・業務マニュアル・社内規程などの基本的業務文書に加え、プロジェクト進捗状況書類・経費関連書類・在庫情報などです。

これらの情報は、デジタル化して一元管理すれば、業務効率を大きく向上させられます。ただし、情報セキュリティの観点から、適切なアクセス権限の設定や運用ルールの整備が欠かせません。

不適な内容

2つ目は、情報一元化に不適な内容です。

情報一元化に不適な内容としては、従業員や顧客のプライバシーに関わる個人情報・企業の機密性の高い経営判断に関する情報・人事情報などがあります。

これらの情報を一元管理する場合は、情報漏洩のリスクを考慮して閲覧権限を厳密に設定することが欠かせません。各従業員の役割や立場に応じ適切なアクセス制限を設けることで、プライバシーの保護と情報セキュリティの確保を両立させましょう。

情報一元化のポイント

ここでは、情報一元化のポイントについて、以下の3点を解説します。

  • 適切なツール選定
  • 現場目線の反映
  • 的確なルール設定・運用

1つずつ見ていきましょう。

適切なツール選定

情報一元化のポイントの1つ目は、適切なツール選定です。

解決すべき経営課題と対象となる情報を明確にした上で、適切なツールを選定しましょう。必要な機能の有無・予算規模との整合性・情報セキュリティ面機能などを踏まえ、総合的な評価を行う必要があります。

現場目線の反映

情報一元化のポイントの2つ目は、現場目線の反映です。

情報一元化の影響を大きく受けるのは、現場です。また、現場が最も頻繁に情報一元化ツールを使うことになるでしょう。

そのため、実際に利用する従業員の視点に立って、ツールの選定や施策の立案を行う必要があります。
そのため、従業員の年齢層・ITリテラシー・使用するデバイスなどを考慮することに加え、現場の意見を積極的に取り入れることが重要です。また、一元化の必要性とメリットを丁寧に説明し、従業員の理解を得る必要もあります。

的確なルール設定・運用

情報一元化のポイントの3つ目は、的確なルール設定・運用です。

情報一元化を進める前に、明確かつ的確なルール設定が必須です。
情報を取り扱う過程で、情報漏洩や一時的な業務非効率化などの問題が発生する可能性は否定できません。

そのため、情報の重要度に応じたセキュリティ対策を講じ、情報の取り扱いやツール・端末の運用に関する具体的なルールを策定し、社内に周知する必要があります。

これらのルールをツール上で共有すれば、より効果的な運用が可能となるでしょう。

まとめ

今回は、情報一元化の意味やメリットに加え、役立つツールやポイントなどを解説しました。

情報の一元化は、複数の場所に分散している情報を1箇所にまとめ、効率的に管理・活用することで、検索性向上などのメリットがあります。
反面、ツールの運用コストなどが注意点です。

情報一元化を実現するには、情報とその所在の整理からツールの選定までを抜け漏れなく行う必要があります。社内WikiやERPなどが情報一元化に役立ちますが、成功させるには、現場目線の反映や的確なルール設定・運用などが欠かせません。

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